カテゴリー
communication / 会話・報道 coronavirus pandemic / コロナパンデミック Culture / 文化 Lifestyle / 暮らし Social activities / 市民活動 Tourist Information / 観光情報

オーバーアマガウの受難劇が延期される / The Passion Play of Oberammergau is postponed

ドイツのオーバーアマガウで10年に1度開催の400年前から続くオペラのような劇が2年後に延期されました。
   
ドイツバイエルン州の最南端に近い、オーストリアとの国境に近いアルプスにオーバーアマガウという人口5400人程度の町があります。アルプスに囲まれて自然豊かな本当にきれいな街です。このオーバーアマガウは10年毎に村人総出の受難劇が催される場所として有名です。受難劇とはキリストが十字架刑で殺され受難を受ける過程に関する物語で、オーバーアマガウでは17世紀からずっと開催されていて、世界中から観光客が集まる大きなイベントです。
 
前回2010年に続き2020年に開催される予定でしたが、コロナパンデミックによる影響で2022年に延期されました。2018年頃から準備していた出演者や長期間取材していたクルーも延期という状況に衝撃が走ったと思います。コロナおそるべし。
 
2010年は山の上から音楽を聴くことができ?ましたが、いまだ直接には劇は見れていないので残念です。世界中にあるイベントのなかでも、ぜひ良い席で見てみたいショーです。

ちなみにこのオーバーアマガウという街の近くにもマッターホルンと言われる山があります。素晴らしいところです。

カテゴリー
Agriculture, Forestry & Fisheries / 農林水産 Environmental system / 環境政策 Social activities / 市民活動 Working style / 働き方

森づくりとまちづくりのグランドデザイン / Grand design for Forest Creation and Cultivating regional

Written in Japanese

現在の日本の森林計画は、森林の多面的機能を発揮することで森林機能論を前提とした規制の考え方があるが、次世代の森林がどのような姿であるのかについての将来ビジョンと方法論がよく分からない。多くの有識者が、多様な機能を重ねて持つ森林に「機能論」はなじまないと指摘するように、まだ科学的に根拠を伴わない機能も少なくなく、森林の遷移とともに数値的評価の変化を考慮して森林計画を設計することは無理がある。今、重要で必要な課題は、1950年代以降、人工林による資源造成に邁進してきた日本にあって、次世代の森林への更新をいかなる理念と計画の下で進めるかを考えることで、それも、樹種構成や林型のあり方だけではなくて、人の営み(生産や生活のあり様)との関係を組み込んだ議論が必要である。林業の課題はもう林業だけの問題ではなくて、森林を含んだまちづくりとグランドデザインが求められている。

森林管理と経営の担い手として、一様には定められなくなってくることが考えられる。日本の森林の所有形態は多様であり、既存の統計には的確に反映されていない。国有林野、都道府県有林、市町村有林、企業法人所有林、生産森林組合、財産区、入会林野、その他の個人所有林などがあり、個人所有についても共有名義や代表名義もある。従来の林政は、これらの諸形態をそのまま経営体として政策対象にしてきたが、進人口減少と地方分散型居住スタイル、階層的共有財の管理・利用、働くスタイルの変化など、これからの時代には、そうした所有の諸形態とは一線を画した林業経営のための経営体を必要とされることが考えられる。現代の社会に適応した法人経営体である必要がある。

政策形成のイノベーションは行政からは生まれない。参加型の政策形成については広く取り組まれてきたが、ボランタリーが主軸となる参加活動で、政策形成の不備を補うことは出来ない。そもそも、行政主導という多くの一般市民がもつ認識と持続的な政策に必要な制度的な仕組みを考え直す必要がある。①基礎自治体の基礎にある集落等の地域コミュニティなくして、地域に関わって、どのように立案された政策も通らない。②森林・林業・林産業に関わって、産業政策のあり方にも議論が必要である。今後、林産業のあり方は、垂直的・水平的に大きく変わる可能性が高い。そうした議論を幅広くする上で、従来の林政分野に偏った議論を広く他分野に対しても開放して行く必要がある。

カテゴリー
Agriculture, Forestry & Fisheries / 農林水産 Lifestyle / 暮らし Social activities / 市民活動 Working style / 働き方

新たなアクターが地域の森林にビジネスとして関わるための4つのアプローチ / Four approaches for new actors to engage in local forest business

Written in Japanese

これまでお付き合いのあまりなかった他産業・他分野の方や社会起業家と呼ばれる方などにお会いすると、予想以上に農林水産の分野に関心をもっておられることが分かります。そんな方々からは、もっておられる技術・ノウハウや経験を活かし、しっかりしたビジネスとして農林水産業の発展や課題解決に貢献できないものか、というお話をよく伺います。

これは、例えば、林業分野についてのお話です。

「木材資源からクリーンで持続的な地域内エネルギー供給の仕組みをつくることで進んでいない森林整備を促し、森林環境をより良くしたい」というお話や、「子供から大人まで自然に触れる教育現場として森林を活用し、木材という天然資源の良さを次世代に伝えたい」というようなお話もよくあることです。そのために、木材を効率良く熱エネルギーに変換できる装置を開発しているメーカーが山村地域に参入したり、都会から地方に移住した地域住民が主体となって森に幼稚園を設立したり、地域の暮らしの状況に合わせて様々な取り組みが展開されているところも実際にあります。もちろん、無線通信でリアルタイムな状況を把握できるようなIoT技術導入推進などは、人口減少時代で効率的な事業を進める上で大変有効な手段なので、行政で政策として掲げていることもあり、これは林業分野に限らないことです。

基本的に、私は、森林という環境の整備や利用などに対して、今よりももっと多様な主体が様々なカタチで関わることがあっても良いと思っています。

言い換えると、森林という環境(現場)を舞台にした登場人物は、これまでの林業事業体と呼ばれる組織や林家だけではなく、森林を散歩する一般市民から森林で会議をする公人まで、森林が所在する地元住民から生まれて初めてその地域に足をいれる都会の住民まで、様々な立場の人がいたほうがきっと面白いと思います。また、森林は資源としての利用だけではなく、いま地球規模で環境保全の取り組みが進められているように、森林に対しても社会的価値が求められている現代では、様々な人が関わることの必要性を感じています。そのためのツール(手法)のひとつがIoT技術のような先進的技術の導入であり、上手く活用することでこれまで繋がることができなかった人との関係性や新たな方法論を生み出し、課題の解決に結び付くモノもあるかと思います。

しかし、そうした新たなアクターがこれまで繋がりの無かった地域の自然環境を舞台に、ビジネスとして継続的に関わることはそう簡単なことではありません。たとえ、森林という場を借りてイベント開催のような一時的な企画は可能だったとしても、その環境を根本的に変化させたり事業を行う資本として森林を扱うことは、地元の方でも難しいことと思います。それは、財産権のような個人資産の権利や森林法など法令に基づいた理解と活動が必要であること、既存のアクターとの利害関係が発生する等の理由から、ほとんどの場合、新たなアクターだけで遂行できる活動ではないからです。

では、どうすれば、技術も持っていてやる気もある新しいアクターは地域の森林とその管理に関わる主体と良い関係を築いていけるのか、今回はそのことについて考えたいと思います。ちなみに、ここでいう「新しいアクター」とは、メインの仕事を既にもっていて、その仕事の業務上もしくは副業的活動において地域の森林とその管理に関わる主体と関係をもつという人物を想定しています。住む場所は限定していません。

 

まず、考える前提として、他産業にはない林業分野の、また、農林水産業のなかでも森林という環境がもつ特殊性をしっかり理解する必要があると思います。林業分野へのビジネスとしての新規参入は、ひとえにこの特殊性が前提にあるため、他分野に比べ継続的な関わりが難しくなっているのだと思います。

前提1、林業生産は多様で長期にわたる事業であること

基本的に、林業は生産サイクルが長期であるため、生産活動によって得られる利益がすぐには回収できないことに加えて、他産業より生産工程が多段階で、その方法やリスクヘッジの方法などが多様です。また、森林から生産・採取される、人間にとって有用な産物を総称して「林産物」と呼んでいますが、建築用材、紙パルプ用材、合板用材のような木材だけではなく、キノコや樹実類、樹脂類、山菜類など特用林産物と呼ばれるものも含まれます。林業としては主に、木材用途の一般林産物で林業生産所得を生み出しますが、特用林産物から生産活動をして生計を営む場合もあり、林業生産は多様な事業であるといえます。

前提2、林業で扱う資源は半有限的な長期再生可能資源であること

森林を構成する主要素である樹木は年々成長を続けますが、その蓄積が木材として利用する段階になるまで長い年月がかかります。持続的な木材生産と森林環境を保つためには、森林がもつ環境に対する働きを損なうことなく森林が成長する分の一部を活用していくことで循環可能な利用を促し、林業の理想とされる保続という概念のもと森林経営が実行されます。つまり、林業で扱う資源は、蓄積されるまで長い時間がかかることから一定期間に得られる資源は有限とも言え、ある範囲における資源の全体量が決まってるビジネスゆえに資源分配の仕方により利害関係者間の合意形成が困難になる場合もあります。

前提3、林業は十分な経験が必要な専門職であること

林業の生産過程は、苗木生産から植林、下刈り、間伐、伐採、検量、運搬までその作業内容は、素人が簡単に新規参入できるほど単純なものではありません。地域の自然環境的な特徴や歴史的背景、経営的判断や利害関係者との調整などを踏まえて総合的に判断され、ひとつひとつ実施されています。もちろん、それはどの産業でも同様ですが、林業の場合、それに加え、現場では巨木の伐倒など命に直接的に関わる作業も多いので、十分な知識と経験をもった作業者でなければ重大な事故になるリスクが大きいのです。さらに、組織であればチームとして複数名で作業に取り組む場合が多いので、ひとりの責任だけでは済まされません。それゆえに、特に森林整備に関わる場合、新規参入者がチャレンジ的な試みで取り組む事業としてはリスクがあまりにも大きく、支援をする側もそれ相応の覚悟と準備が必要になると思います。よって、現場で林業に従事する者は、常に専門職としての高い意識と技術が要求されています。ヨーロッパで、森林管理官(フォレスター)のような専門職の社会的地位や収入が高いのはそのためです。

前提4、林業は社会資本と公共財を扱うこと

林業は森林という環境そのものを扱います。林業をする現場は、ほとんどの場合、直接的に或いは間接的に、その地域の生活基盤であり、景観であり、社会を構成するインフラに近いものです。自然環境の一部でもあり公共財的な性質をもっているため、単純に林業の経済的メリットだけを追求すると、そうした性質に付随するあらゆる価値を損なう恐れがあります。環境経済学などの学問分野では、これを環境財とか生態系サービスとか言ったりします。森林、湿地、山地等をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全や持続可能な利用を確保することは、持続可能な開発目標(SDGs)におけるグローバル指標のターゲットのひとつにも挙げられていますね。

 

そうした林業という産業がもつ特徴を踏まえた上で、ではどうすれば新しいアクターは地域の森林とその管理に関わる主体と良い関係を築いていけるのか、私は大きく4つのアプローチがあると思います。

 

1.既存の主体及びスキームへの参画型アプローチ

1つ目は、既にその地域にある林業・木材産業分野の主体やビジネススキームの中に入り、組織がもつ目的や産業全体の発展等を目指し、自らが取り組むアプローチです。関わろうとする地域に、たとえ規模は小さくとも林業・木材産業というものがあるのであれば、必ず林業事業体に当たる組織や人物がいて、森林資源が製品/商品となり販売されるまでのビジネススキームが存在しているはずです。ひとつの地域において、同じ資源を用いてもビジネスのスキームや木材の流れは決してひとつだけではなく、主体となる組織は複数ある場合が通常ですので、その中から自身の関心ポイントに合わせて参画していく方法です。

2.新たな主体及びスキーム形成の新規参入型アプローチ

2つ目は、既にその地域にある林業・木材産業分野の主体やビジネススキームに新たな主体として加わり、自身が所属する組織の目的や産業全体の発展等を目指し、取り組むアプローチです。

3.ソリューション提供による後方支援型アプローチ

3つ目は、

4.事業推進の環境を整える間接的支援型アプローチ

Stakeholder Pyramid

 

このように大きく4つに分けていますが、どのアプローチも関わろうと考えているその地域の状況を把握する必要があることは、当然のことです。例えば、その地域で森林・林業・木材産業分野で主体として活動している組織や人物は誰なのか、それら主体と自治体との関係はどうなのか、これまでどのような政策や取り組みがされてきたのか、森林資源の状態はどうなのか、などです。

長年、林業経済分野で調査研究に従事された元筑波大学の志賀和人さんは著書でこのように述べておられます。

森林・林業政策の策定過程とともに林業経営組織の意思決定において、戦略的・管理的・業務的決定を誰がどのように担い、そこにどのような問題があるのか、それを解明、改善しない限り、真の解決策にはならない。現代社会は、市場経済(私的セクター)、制度・政策(公的セクター)、地域社会(共的セクター)が相互に重層的に重なり合い、時間の経過とともに国や地域特有の関係を形成し、しかもそれが常に変化の過程の中にある。この空間軸と時間軸における関係性や歴史性と切り離された諸外国の事例や、全体構造の一部を切り取り、それを理想型としてもその定着は困難である。地域森林管理の主体形成と長期持続性の源泉を考えるうえで、利害関係者と経営組織間のバランスのとれた意思決定の仕組みをどう構築するか、それが重要となる。[…]
[…] 林業経営や森林管理は、地域的多様性や長期的持続性が重要な分野であるが故に各時点の状況変化を意思決定に利用、反映するオープン・ループ・コントロールによる対応が不可欠である。環境変化に対して、なるべく現場に近いところでその情報が共有化され、それを管理方針に反映する仕組みとそれを可能にする経営組織の構築が重要である。

地域森林管理の主体形成と林業労働問題(2011)404~407頁

 

地域の森林(管理)に関わる主体を理解するためには、その地域の林業・木材産業を形成している各セクターの空間的な位置付けを認識する必要があり、概念図にするとこんな感じかなと勝手に解釈しています。(汚くてごめんなさい)

3つの軸は、時間経過、ソーシャルキャピタル(社会関係資本)の程度、インフラストラクチャー(社会資本)の程度です。

ここでいうソーシャルキャピタル(Social Capital)は、人々の信頼関係や互酬性の規範、社会的ネットワークなどの社会組織の重要性を意味します。また、インフラストラクチャー(Infrastructure)は、社会的経済基盤と社会的生産基盤とを形成するものを意味します。3つの軸はある地域のある年(時間)における社会構造の空間を表現し、円は林業・木材産業分野の市場経済(私的セクター)、制度・政策(公的セクター)、地域社会(共的セクター)を指し、時間によってその重なりや相互関係は変化します。それは地域の状況により各セクターの大きさ及び円の大きさとその社会的ポジションが異なります。

 

カテゴリー
Geographic Information Science / 地理情報科学 Social activities / 市民活動

地理情報システムとは何か? / What is a Geographic Information System?

Written in Japanese

GISとは

GIS(Geographical Information System)とは、地理情報システムのことで、コンピュータに取り込んだ地図データや属性データを効率的に蓄積・検索・変換して、地図出力や空間解析、さらには意志決定の支援ができるように設計されたツールである。

GISにはもうひとつ意味がある。地理情報科学(Geographic Information Science)という学問のことである。地理情報科学は、1990年代に生まれた学問で、純粋理論から応用まで、その対象は自然現象から社会現象までと幅広いレベルと分野で貢献している。

GISの適用分野は、地図の作製、自然資源の定性的・定量的な把握と管理、事業計画や環境計画、供給処理施設の管理などの計画・管理業務、マーケティングなど多岐にわたるが、いずれも広範囲な空間を制御したり、管理したりする手段として利用されていることが多い。GISは、自然地理学、人文地理学、地質・鉱物学、都市工学、農学、林学、環境科学、生態学、地域経済学、考古学など多くの分野で注目を集めている。

GISのイメージ(滋賀県の各情報をレイヤーとして表現した場合)

 

GISの特徴と表現の基礎

事象を理解しようとするとき、まずその事象に関係ある物体を把握する必要がある。GISで物体(空間)を把握する場合の特徴として3つある。

1つ目は、的確な範囲で物体(空間)をとらえることができること。

すなわち、顕微鏡が小さくて見えない世界を見やすく展開するのに対して、GISは大きすぎて全体の把握が困難な対象をわかりやすく展開する手段であると考えられる。また、逆に全体(システム)の中で、大きくとらえた後、着目した要素の詳細な特性を瞬時に表示できる。紙ベースの手法では、このように任意の単位で空間データをとらえることは大変な作業であったが、GISでは簡単に行うことができる。

2つ目は、多くの情報が重なりあう実世界を、全体を意識しつつ必要な情報だけを抽出することができること。

言い換えると、多くの地理的な情報(データ)の重なりあう実空間を、必要な情報(データ)ごとに(情報群または情報図)レイヤーを作成し、必要に応じて重ね合わせ空間をとらえることできる。つまり、普段から見てるなんとかマップや航空写真などで同時に見ている、山や川などの自然分類、土地利用、植生、水路、標高等の情報を各レイヤーに分解し、目的に応じてそれらのレイヤーを重ね合わせる。実空間をレイヤー構造化して理解することができる。

3つ目に、GISの扱うデータ形式としてラスターデータ形式とベクターデータ形式の2種類のデータ表現を用いること。

ラスターデータ形式は、空間をメッシュにより表示する形式である。標高データのように、値が絶対尺度になっている数値データと土地利用データのように名義尺度となっているデータ(カテゴリーデータ)に大別できる。ラスターデータでは、一般にメッシュの大きさが空間対象物に比べて十分小さいことが求められる。その反面、メッシュのサイズを小さくするとデータ量が増大し、記憶容量の増大・処理時間の増大などの欠点がある。

ベクター型のデータは、図形情報と各図形要素の属性を保持する属性テーブルとで構成されている。ベクター型の図形情報は、点、線、面の三つのパターンで表現される。例えば水田は面(ポリゴン)、水路は線(ライン)、水利施設は点(ポイント)として形状を表す。属性テーブルは、各図形要素の情報を表形式で保管している。例えば、水田の圃場面積、減水深、収穫量等の属性情報を区画の図形情報とリンクさせ、情報を管理している。

GISで扱うデータ形式(左:ラスターデータ、右:ベクターデータ)

GISの特徴として、ラスターデータとベクターデータの形式表現があることを言いましたが、それぞれのデータで属性情報を付加することができます。通常、ラスターデータは、空間全体を均一なグリッドに分割していますが、そのグリッドにその地点の属性情報を与えることで地理空間を表現します。ベクターデータは、空間的な位置や形状を点(ポイント)、線分(ライン)、領域(ポリゴン)の組み合わせによって表し、それらに属性情報を与えることで地理空間を表現します。

地理空間と属性情報の関係(ベクターデータ)

 

GIS利用の手順

GIS利用の手順は、大きく「データ収集」、「データ形式変換」、「投影法設定」、「表示/解析」に整理することができる。一般的に、GIS利用の作業の中で前処理に対する労力の比重が大きいが、年々進むデータの基準化と整備のおかげで、以前より軽減されている。また、前処理が行われて、GISデータが作成された後の解析も、既存のプログラムと組み合わせることにより、精度が向上し、事業の調査、評価、計画さらに施設の管理にも効率的に利用できる。

 

補足(パトリックゲデスと地理情報科学からの視点)

誰もがいつも見ている目線やルーティンワークの視点を少し変えただけで物事の理解が深まったり、意図せず課題の解決につながったりした経験があるかと思います。GISの有効性は、こうした様々な視点から物事を考えることができる、空間情報の視覚化やそこから明確に情報共有が可能となる点が挙げられます。

19世紀後半にスコットランド出身のパトリック・ゲデスという近代都市計画の学者がいました。社会学や建築学分野ではよくご存知の方がいらっしゃるかと思います。20世紀初頭、都市計画に地域という概念を取り入れ、地域調査(Regional Survey)運動を展開した人物です。彼は、社会学、地理学、政治学など様々な学問が重なり合うCivicsという言葉で、統計や数値を重視した社会学ではなく、社会的改良を志向し、都市に関する地理、歴史、政治、教育といった様々な要素を組み込んだ応用社会学としての市政学の重要性を主張しました。

パトリック・ゲデスの「知識(情報)の総合的統合」
Source: Institute for Palestine Studies

パトリック・ゲデスは、GISの基礎となるような考え方(Regional Survey、Outlook Tower、know your region and you can understand the worldなど)を提唱し、どれも現代においてもあらゆる課題に適用できる考え方だと思います。フィールドワークの重要性にも通じるところがありますね。

Diagram of Patrick Geddes’s interdisciplinary Outlook Tower(学際的なアウトルック(展望)タワー)

現在、世界的な地球環境保全の取り組みである国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)、京都議定書締約国会合(CMP)、パリ協定締約国会合(CMA)などが開催されています。それらに繋がる最初の国連会議が1992年にリオデジャネイロで開催されました。それ以来、「持続可能性/サステナビリティ」の課題に対する統合的対応の創出における市民参加への「ローカルアジェンダ21」アプローチが国際的に広がっています。持続可能な開発を意図する一般的な呼びかけである「Think Global、Act Local」は、このパトリック・ゲデスの著書「Cities in Evolution」に起因していることは忘れてはいけないことです。

 

カテゴリー
Culture / 文化 Lifestyle / 暮らし Social activities / 市民活動

ドイツとフランスの市民活動 / Civil activities in Germany and France

English version is below

ドイツには、子供が進学するために通う私的な学習塾や、学校側が組織的に運営し授業後日常的に活動ようなクラブはほとんどありません。では子供達は学校の授業が終わってから何をするのか?(ちなみに南ドイツのバイエルン州の小学校は基本的に午前中で授業が終わることが一般的です)それは宿題をして友達と遊ぶ、もしくは、地元地域のスポーツクラブやオーケストラなどの音楽グループに参加しています。もちろん中には学校側が組織しているサークル活動(Arbeitsgemeinschaftenと呼ばれる)もありますが、1回1~2時間を週1~2日程度でさらに年ごとで実施されるかどうか決められています。したがって、そうした学校の仕組みと子供達の平日の過ごし方からも伺えるように、見方によっては、こうした環境が積極的な市民活動を醸成していると言えるかもしれません。

ドイツにはeingetragener Verein(読み方:アインゲトラークナーフェアイン)という民法で定められた法人格があります。一般的に、よく略してe.V.(読み方:エー・ファオ)と呼ばれます。このエーファオの法人をもつ団体は多種多様で身近にたくさんあります。例えば、サッカークラブなどのスポーツクラブ、ブラスバンドやオーケストラなどの音楽活動団体、国際交流の団体、農業関連の組合、森林組合、森の幼稚園などもエーファオです。また、規模も関係なく例えば、再生可能エネルギー連合会のようなドイツ全体の包括的な組織である団体もエーファオです。

ドイツ全土のエーファオ(団体)の数は1970年頃に比べるとおよそ5倍になり、 現在では統計的に見ると約3,600万人の若者と成人が少なくとも1つの団体に参加しているという状況です。2017年までに登録されているエーファオは630,000を越えています。ドイツの教育や科学革新に関する課題解決をミッションとする大手エーファオの調査によると、その約15%はスポーツクラブであり、そのうちの4分の1以上は第二次世界大戦前に設立されています。比較的新しく設立された団体は、環境や自然の保護、教育などを活動目的としています。以前からあるようなボウリングやコーラスのクラブとは対照的に、着実に増加しているのは学校や子供のオーケストラなどの財政的支援のための団体です。全団体の約3分の1で会員数が増えていて、減っているのは4分の1にも満たない団体です。全体的に積極的で活発に見える市民活動ですが、一方で、エーファオに限らず市民活動組織の設立は人口が多い都市部に多く、社会的結束の重要度が高い農村部では減少傾向にあり、農村部の人々の健康や教育の向上が課題として挙げられることが研究から確認されています。

ヨーロッパの各国では独自の国内法によって活動組織の設立基準や法的形態が存在します。ドイツのお隣であるフランスにはヨーロッパを代表する大都市のパリがあります。パリ市にはより良い暮らしを目指し、地域のサービスを市民自身が立案し、好きな活動に参加することや投票による活動支援をすることで、行政予算を獲得できる市民参加型の取り組みが進められています。2014年より取り組まれているこの事業は、パリ市の年間予算80億ユーロ(およそ1兆円)の18%に当たる投資的経費のうち5%を占め、6年で総計およそ650億円の規模で市民がその使途を決めています。市民自身がアイデアを提案し、市民の投票により審査され、配分された予算により実施する、実施された取り組みが公開される、これにより市民参加による街づくりが実践されています。このような市民参加型予算の取り組みは、ベルリン、ハンブルク、ケルン、フランクフルトなどのドイツの大都市でも実施されています。

 

In Germany, there are few private cram schools for children and club activities organized and routinely run by the school. So what do children do after school class? By the way, it is common for elementary schools in Bavaria to finish classes in the morning. The answer is that they do homework and play with friends, or participate in local sports clubs and orchestras. Of course, there is also a circle activity (called Arbeitsgemeinschaften) organized by the school side, but it takes 1-2 hours about 1-2 days a week, and it is decided whether it will be held every year. Therefore, as we can see from the school structure and how children spend their weekdays, it can be said that, depending on the viewpoint, this environment is fostering active citizenship.

In Germany, there is a legal personality established by the Civil Code called eingetragener Verein. Generally called e.V. for short. There are many different organizations with e.V. corporations. For example, sports clubs such as soccer clubs, music activity organizations such as brass bands and orchestras, international exchange organizations, agricultural associations, forest associations, and forest kindergartens are also e.V. Regardless of the size of the organization, organizations that include Germany as a whole, such as the Renewable Energy Federation, also have e.V. legal entities.

The total number of e.V.s in Germany is approximately five times that of around 1970, and now it is statistically estimated that about 36 million young people and adults are participating in at least one organization. The number of e.V. registered by 2017 has exceeded 630,000. According to a survey by a major e.V. whose mission is to solve problems related to education and scientific innovation in Germany, about 15% of them are sports clubs, more than a quarter of which were established before World War II. The relatively newly established organization is designed to protect the environment and nature, and to educate. In contrast to traditional bowling and chorus clubs, the number of organizations that are steadily increasing are financial support organizations such as schools and children’s orchestras. The number of members is increasing in about one third of all organizations, and the number of members is decreasing is less than a quarter. In Germany, civic activities seem to be active and active throughout the country, but the establishment of civic activities organizations is often in urban areas with a large population, and it is declining in rural areas where social importance is high. From this study, social issues include improving the health and education of rural people.

Each European country has its own national laws and standards for the establishment of legal organizations and legal forms. For example, France has Paris, the largest city in Europe. In Paris, there is a citizen-participation-type initiative that allows citizens to plan local services, participate in favorite activities, and support activities by voting to obtain an administrative budget with the aim of better living. This project, which has been undertaken since 2014, accounts for 5% of the 18% of the city’s annual budget of 8 billion euros (approximately 1 trillion yen), and is determined by the citizens of Paris. Citizen’s participation is made public by this system that citizens themselves propose ideas, examine by citizen’s vote, and implement implemented measures that are implemented with the allocated budget. Citizens propose ideas, review by citizens’ voting, implement with allocated budget, and publicize the implemented activities, this system promotes the community development with citizen participation. This citizen-participation budget initiatives are also being implemented in large German cities such as Berlin, Hamburg, Cologne and Frankfurt.