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Ecological Economics / エコロジー経済学

コロナパンデミックの国際経済への影響 / Impact of corona pandemic on international economy

Written in Japanese (original article is below)

ドイツ・ミュンヘンにある研究所(ifo Institut)によると、輸出セクターの将来動向を評価する指標であるExport Expectationsが今まで見たことない落ち方をしています。
 
まさに前例のないクラッシュ状態(Beispielloser Absturz)で、コロナパンデミックが既に輸出市場に深い痕跡を残していることが分かります。ほぼ全ての産業で影響があるかと思いますが、特に、ドイツの主要産業である自動車、機械、電気などの影響が大きい一方で、唯一と言っていい?製薬業界は安定しているようです。
 
木材産業でも木材輸出に大きな影響を及ぼすことは明らかですが、他産業の需要減に伴い運送に関連する木製パレットや梱包材の需要減も予想されています。

 

Holzverkauf und Holzpreise 27.04.2020

ifo Exporterwartungen im freien Fall

Die Stimmung unter den deutschen Exporteuren befindet sich im freien Fall. Die ifo Exporterwartungen der Industrie sind im April von saisonbereinigt minus 19,0 auf minus 50,0 Punkte abgestürzt.

Beispielloser Absturz

Dies ist der niedrigste jemals gemessene Wert. Auch das Ausmaß des Rückgangs ist ohne Beispiel. Die Corona-Pandemie hinterlässt tiefe Spuren auf den Exportmärkten. In zahlreichen Branchen sanken die Erwartungen auf neue Tiefstwerte.

Schlüsselbranchen betroffen

Hier sind insbesondere viele deutsche Schlüsselbranchen betroffen, wie der Fahrzeugbau, Maschinenbau oder die Elektrotechnik. Nachdem der Rückgang der Exporterwartungen in der Chemischen Industrie im Vormonat noch moderat ausgefallen war, geht man dort nun auch von deutlichen Umsatzrückgängen beim Auslandsgeschäft aus. Einziger Lichtblick in diesem Monat war die Pharmabranche. Sie geht von einem stabilen Exportgeschäft aus.

Weniger Palettenholz

Für die die Holzwirtschaft heißt das, dass in diesen Exportmärkten die Nachfrage nach Ladungsträgern wie Paletten und Kisten weiter zurückgeht. Damit sinkt die Nachfrage nach Paletten- und Verpackungshölzern weiter. ifo/Red.

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Ecological Economics / エコロジー経済学

資源と環境の制約~エコロジー経済学座③ / Natural resources and environmental constraints

Written in Japanese

環境容量の考え方 carrying capacity

Vitousek
地球上の光合成活動の限界
一次生産活動が地球上の生命活動の規模を決定
人間がNPPの40%をすでに利用している、経済成長の限界

資源環境制約の中の経済学
経済成長が目的ではなくより少ないインパクトでより多くのサービスを獲得する

I=PAT   インパクトを少なくするには?

I = 環境インパクト
P = 人口
A = 豊かさ(一人当たり消費量)
T = 技術(消費量1単位当たり環境インパクト)

要因別変化寄与度
各変数の変化量をΔI、ΔP、ΔA、ΔTとすると、
各要因の変化率は次式で表すことができる。

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Ecological Economics / エコロジー経済学

経済学のなかの自然とは~エコロジー経済学座② / What is NATURE in economics?

Written in Japanese

1.土地自然はどのように扱われてきたか(自然と人間の関係に関する心理)

狩猟採取社会の土地自然

土地自然は生命を与えてくれるものであり、すべての財の源泉 生産要素
人びとは土地に属し、尊敬し、その恵みを喜んで受け取る
土地にはみんなで分かち合うすべての動植物が含まれる
人びとは土地を通じて祖先と子孫につながる
土地所有という概念がなく、土地は生態系そのもの

狩猟採集社会の生活
群れ(バンド)という社会構造はあるが家族というサブ構造はない
家族と共同体を律する平等の発生
森林からサバンナへ進出 ヒト以外の霊長類はおおむね森林地帯に生息
サバンナでは動物の肉や昆虫なども取入れた雑食 森林内では果実や葉などの植物性の食物を主体にしていた
食物を一旦ベースキャンプなどの安全なところに運んでから食べる(運搬行為)
ヒト以外の霊長類では食物は採集されたその場でただちに消費される。(手から口へ)
人間は食物を家族や共同体のもとに持ちかえり、そこで消費する。他人への分与、他人からの分与という行為の習慣化 各個体は群れとしては行動するが、採食は個体ごとに勝手に行う。

家族の出現 分配に基く消費
狩猟採集社会は肉の分配を核とした食物消費システムを持ち、これはバンドの成員に経済的な平等と相互依存をつくりだしている。
バンド内のだれも特別の権威を持つことはない。意思決定は合議でなされ、誰も他人を強制できない、平等である。リーダーはいない。

平等な分配は過剰な生産を抑制する
平等性を社会原理とする原初的な人間社会では、人間と環境との関係は自制的なもの、過剰を避けるものとなる。
狩猟・採集社会では、多くの場合、植物性食物に依存している。自然に繁茂する植物性食物に依存しているかぎり、その存在量に社会の大きさは規定される。カラハリのブッシュマンは平均50人規模のキャンプを数週間の単位で移動して、植物性食物を手にいれている。おそらく、植物の生育量によって、社会の大きさが制限されているのであろう。また、男と女の間の狩猟と採集という分業以外の社会的分業が発達していないということは、大きな社会になることのメリットが彼らの生活スタイルのなかに存在していないことをも示している。

農耕社会の土地自然

2つの生産要素、土地と労働
Sir William Petty(1623-87)労働は富の能動的源泉であり土地は受動的源泉
フランス重農主義、Adam Smith, John Stuart Mill土地が能動的に富を生む

ユダヤ教では土地は中心概念(人Israel、神Yahwehと土地がユダヤの生産の三要素)
土地は相続財産であり、家族が相続し、土地の管理責任を負った、人々は土地に属していると考えた
天地創造:陸と海が分かれ、陸は植物を、海は魚を、神は鳥と動物を創り、6日目に神は想像から男と女を創り、すべての造物主を見た。→人間は単にひとつの種ではなく、土地と植物と動物を支配する権威を与えられた キリスト教では土地は神のものであり、共通善のために供するべきもの。しかし中世のカソリック教会は領主の利益にくみした。

農耕社会の生活

■人間と自然

  • 生態系への介入、人工的な自然、極相への遷移を妨げる、耕起・除草
  • 自然の過程から人間労働へ(自然の賜物 -> 労働の成果)(自然観の変化)
  • 物質循環の撹乱(施肥)富栄養化、人工的な窒素の固定

■農耕の人間社会への影響

  • 余剰の発生と余剰管理システムの必要
    自然と富の分離、冨という観念の創出
    所有権(冨の支配権)、分配(税、地代、農民の取り分)、余剰の交換、交換を仲立ちする貨幣、市場、商業(商人)
  • 生産者と不生産者の分業
    祭祀(さいし)、政治、管理
    芸術、科学
    都市の出現、文化の中心
  • 不平等の発生と社会の複雑化
    社会秩序の維持、法と倫理、宗教、警察
    農耕社会と遊牧社会の交わり、農耕社会どうしの対立、国家、軍隊

■農耕社会の発展(成長)

  • 土地の集約的利用、労働生産性の減少(同じ作物を得るのに、より多くの手がかかる)
    焼畑の労働生産性は高い、土地の粗放的利用
    現代の農業は土地を集約的に利用するが、労働生産性は高くない
  • より多くの土地を森林などから農地へ転換する
    作物を得る土地を広げることにより、農業生産の拡大をはかる
  • 人間の労働から外部エネルギーの利用へ
  • 農耕社会の成長は永続的ではない。 人口増加を農業は支えきれない。

工業社会の土地自然
工業社会では、土地が富を生みだすのではなく、労働が富を生み出す
土地自然は富の源泉として見えなくなる。
植民地からの生物資源の供給
地下からの化石燃料の供給

2.経済学のなかの自然

  • 経済学における土地自然
    • David Ricardo 土地の価値創造の役割を否定
    • 新古典派経済学 価格は主観的選好により市場で決定→土地の価値創造の役割を否定
    • 土地は空間と代替可能な資本のミックスとして扱われる、生産要素として重要な意味を持たない
重農学派労働が父 土地が母
アダム・スミス労働が父 土地が母
分業によって同じ労働からより多くの財(富)を作り出す
リカード差額地代 限界生産力逓減法則
マルサス等比級数的人口増加 食糧生産は等差級数的増加
マルクス価値理論 労働だけが富を生産
メンガー主観的価値理論

しかし、実際には自然は以下の特徴を持つ。

  • 土地(資源)、労働、資本の生産要素の中で再生産可能でないのは土地(資源)だけ
  • 工業生産は資源の加工にすぎない、地球上の生産は太陽エネルギーが支えている一次生産しかない

これまでの経済学における環境の扱い

  • 経済成長は環境から制約を受けない技術革新仮説
    資源不足 -> 価格上昇 -> 技術革新 -> 代替物の供給
    地球環境は物質と熱のフローのバランスの上に存在しているので、そのバランスを崩す物質とエネルギーのフローにより、地球環境およびその上の生態系は壊れる。環境容量仮説
  • 外部費用(社会的費用)の内部化
    効率的な資源配分の前提としての適正な市場価格
    適正な市場価格を保障する自由競争と合理的に行動する個人・企業
    外部費用(社会的費用)を適正に評価することができれば制度的に内部化可能
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Ecological Economics / エコロジー経済学

経済学の基本仮説とは~エコロジー経済学座① / What is the basic hypothesis of economics?

Written in Japanese

経済学が教えてくれたことは何か?

市場がうまく機能することによって効率的な資源配分が実現すること
個人の利益を追求することが社会の調和をもたらすこと

経済学の3つの基本仮説

  1. 社会は個人から構成される
  2. 均衡仮説
  3. 貨幣評価至上主義

 

1.社会は個人から構成される

社会的厚生は個人の厚生の総和 welfare 福祉
社会を構成している要素を足し合わせると社会になる 要素還元主義
分析的手法により真理に近づく しかし、個人の和は社会ではない

機械:機械を構成している要素に構造が依存する
システム:全体の構造が各要素のオペレーション(作業)を規定する
(全体の状態やパターンは定義できるが、構成要素の詳細な状態は移ろいやすく、定義が困難)
生物はシステムである。生物を構成している要素は常に変化しているが、行動パターン、記憶、個人としての存在感覚は維持されている。
例えば、複雑系について、機械システム(単純なシステム)は部品の総和であるが、複雑系は部品の総和ではない 
人間の体について、器官から構成されるが、器官によって説明できない
生物、社会、生態系(ガイア)、これらはすべてシステム
要素から関係性に究明の対象が移動
要素の場における振る舞いのパターンの解明
その例は、iPS細胞であり、個人としての行動規範、家族の一員、社会の一員としての駆動規範は異なる
「個人の総和が社会になる」という仮説の誤謬(ごびゅう)
個人は個人であり、社会成員であるが社会そのものではない。
同一個人であっても、一人の選好、家族の一員としての選好、地域人としての選好は異なる。
「社会は自発的交換にたずさわる個人の統計的寄せ集めではなく、何かもっと微妙で複雑なものである。集団や共同体は個人の立場からだけでは理解することはできない」
「Private personal preferences と individual-social preferences は別のもの」レスター・C・サロー、『デンジャラス・カレンツ』東洋経済新報社1983年
コモンズの存在(環境は個人の財産に分解されるものではなくコモンズ)
local commons    global commons
共有地の悲劇 Garrett Hardin 1968
入会林 里山
社会、エコシステムは複雑系であり、機械システムではない:同じ入力が同じ出力をもたらすのではない、あるときは個人としてあるときはコミュニティの一員として行動する。
「コモンズの悲劇」回避のためには、従来は政府など行政によるコントロール(補助金又は規制)か、あるいは分割して私有化し永続的な利益を得るためには適切な管理をせざるを得ないという市場原理に任せるしかないというのが定説だった。こうした定説について「地域のコミュニティによる自発的管理」が抜け落ちていることに気づき、多くの現場に学び、世界各地で政府の力に頼ることなく、日本の入会システムを含めてこうした「悲劇」を経験せずに生きながらえてきたコモンズの存在を明らかにする。コモンズの管理へ向けて人々がやる気を出すかどうかは、価格だけではなく、他の資源の入手可能性や資源の分配をめぐるコミュニティの歴史(経過・伝統)に規定されることなどを導き出す。

 

2.均衡仮説

経済の状態は常に均衡点に向かって動いている。均衡を妨げている制度、慣習を取り除けば、秩序がおのずから実現する。これを保証するのが収穫逓減法則、すなわち、負のフィードバックである。

正のフィードバックを想定していない。実際には正のフィードバックが存在している。規模の経済 大企業はそれだけで優位 ⇒ トヨタの車が売れるのはトヨタの車が売れているから。マイクロソフト・ウインドウズが売れるのはそれが売れているから。

均衡点からの乖離 地球温暖化 温暖化が進めば進むほど温暖化が進む 生物多様性の喪失 静学的状態を説明できても動学的状態を説明できない

 

3.貨幣評価至上主義

人々の選好の大きさは効用によって示され、効用はWTPとして顕示される
したがって、WTPに裏打ちされた社会の総支出は社会の福祉水準を代表することができる。

  • GDPは企業から家計に支払われるマネー・フロー(分配側面)あるいは家計から企業に支払われるマネー・フロー(消費側面)であるが、それは福祉水準を代表していない。
  • DE 福祉の悪化を補償する消費(defensive expenditure:防御的支出)の増加はGDPを引き上げる
  • DNC資源浪費的な消費は自然資本の破壊を通じて福祉水準を引き下げる(depreciation of natural capital:自然資本の償却)
  • 福祉水準はGDPからDEとDNCを除いたもの
    Genuine Development Index
    Gross National Happiness

Utilityからwell-being  happiness

旧経済学新経済学
収穫遁減
19世紀の物理学
均衡、安定、決定論的
Dynamics
人間は同一
外的事情がなく全てが同じ
能力を有していれば死に至る
要素は量と価格
全てが均衡状態にある
真のダイナミクスはない
対象を構造的に単純なものとみる
収穫逓増
生物学に基本を置く
構造、パターン、自己組織化、生命
Cycle
個人に焦点をおき人間は分離し異なる
外的事情や差異が駆動力になる
死は存在しない、システムは常に開く
要素はパターンと可能性
経済は常に時とともに変化

対象を本質的に複雑なものとみる